エネルギーの歴史【全5回】③産業革命とは?簡単に解説!世界に与えた影響

産業革命は、蒸気機関という新しい機械の発明によって、エネルギーの使い方や人々の生活が大きく変わった出来事です。

これまでは農業が中心でしたが、工場が増えて新しい仕事が生まれました。この変化が、今の社会のもとになっています。

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産業革命とは?エネルギー革命の第三波を簡単に解説

産業革命は、人類がエネルギーを使う方法を大きく変えた出来事です。

それ以前のエネルギーの使い方には、火を使ったり農業をしたりといったものがありましたが、地域ごとの発展にとどまりました。

これらは社会全体の仕組みを大きく変えることはなかったのです。しかし、産業革命では「蒸気機関」が発明され、社会全体が大きく変わりました。

この蒸気機関の実用化こそが、産業革命の最大の特徴です。

産業革命とエネルギー革命の違いを簡単に説明

産業革命とエネルギー革命の違いは、エネルギーの使い方にあります。

最初の蒸気機関は17世紀に炭坑の水を汲み上げるために使われましたが、最初は熱の効率が0.5%程度と低く、使える範囲も限られていました。

しかし、改良が進んだことで、熱効率が5%程度に向上し、蒸気機関が工場で使えるようになり、工業化が進んでいったのです。
出典:技術革新における高温材料(日本金属学会会報第26巻 第6号(1987))

産業革命で実現した蒸気機関の発明がもたらす影響

01-2熱エネルギー→運動エネルギー (1)

蒸気機関のすごいところは、エネルギーの形を変えることができた点です。以前は、例えば薪を燃やすと、そのまま熱としてしか使えませんでした。

しかし、蒸気機関は、石炭を燃やしてできた熱で水を温めて、その水蒸気を動かす力に変えることができました。

このように、蒸気機関はエネルギーを違う形に変えて使うことができ、これが工場の機械を動かし、工業化を進める力になったのです。

蒸気機関の進化と製鉄技術の発展がもたらした影響

蒸気機関をさらに強くしたのは、鉄を使う技術の進化です。工場で使われる蒸気機関を作るためには、熱や圧力に強いボイラーやシリンダーが必要でした。

石炭に含まれる不純物で鉄がダメにならないように、石炭を蒸し焼きにする技術が開発されました。

これにより、石炭の供給が増えて価格が下がり、蒸気機関を作るコストも下がりました。

その結果、蒸気機関が多くの工場で使われるようになり、産業がさらに発展しました。

産業革命の影響で誕生した工場経営者と新たな社会構造

03工場経営者と貴族 (1)

産業革命は社会の仕組みも大きく変えました。中でも大きな変化は、新しい富裕層である工場経営者と工場で働く労働者が現れたことです。

それまでの働き方といえば、主に農業が中心でしたが、工場での仕事が増えて社会が変わりました。

工場経営者が台頭した背景とその影響を簡単に説明

工場経営者は、蒸気機関と工場を使ってたくさんの利益を得るようになりました。これにより、それまで力を持っていた貴族や地主に匹敵するほどの力を持つようになりました。

産業革命後の工業化と農業社会の変化:貴族から工場経営者へ

産業革命以前は、貴族や地主が社会のリーダーでした。彼らは穀物の輸入を制限して、国内の穀物の価格を高く保っていました。

しかし、工場経営者は労働者の生活費が安くなる方が工場の利益が増えるため、物価が安くなることに関心を持ちました。

最終的に工場経営者が力を持つようになり、安い輸入品が増え、工業が農業よりも重視される時代になったのです。

まとめ

産業革命は、蒸気機関の発明でエネルギーをもっと便利に使えるようになったことから始まりました。

それによって工場が増え、農業よりも工業が大切になりました。このとき、工場を経営する人たちが新しいお金持ちになり、社会の仕組みも変わりました。

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