ウエストを細くするには腹筋やランニングだけでは効果が薄いことをご存じですか?
筋肉量(特に下半身)を増やして基礎代謝を上げるのがポイントです。忙しい女性でも続けられる、自宅で15分の簡単メニューをご紹介します。
体には瘦せる順番があるので、すぐに結果を求めず継続することが一番重要です。
科学的なウエストを細くする筋トレの基本原則
1kg痩せるには約7200kcalの消費が必要
1kgの体脂肪を減らすには、約7,200キロカロリーを消費する必要があります。体脂肪1gには、約9キロカロリーのエネルギーが含まれています。
でも、体脂肪には純粋な脂肪だけでなく、水やたんぱく質も含まれています。
そのため、体脂肪1gあたりのエネルギーは実際には少し少なくなり、約7.2キロカロリーになります。
これを1kgにすると、「1,000g × 7.2キロカロリー」で、約7,200キロカロリーが必要になると計算できます。
体には痩せる順番がある(個人差あります)
ウエストを細くしたいからといって、腹筋やランニングを一生懸命やっても、体の仕組みでまず先に落ちるのは内臓脂肪です。そのため、ウエスト周りが細くなるには少し時間がかかります。
体には一般的に「痩せる順番」がありますが、それは個人差やホルモンバランスや脂肪の付き方、血流などによって異なります。
一般的なメカニズムと瘦せる順番を簡潔に説明します。
・女性
女性ホルモン(エストロゲン)の影響で太もも、ヒップ、腰回りに脂肪が付きやすい。
・男性
男性ホルモン(テストステロン)の影響でお腹周り(内臓脂肪)が付きやすい。
痩せる部位の順番 | 理由 |
1.内臓脂肪 | 運動や食事制限で比較的早く減少。 |
2.手首・足首 | 脂肪が少なく、体重の減少が早く目に見える。 |
3.ふくらはぎ | 血流が良く、日常の動作でよく使われるため脂肪が燃焼されやすい。 |
4.肩周り | 筋肉が活動的で脂肪が少ないため、早めに引き締まりやすい。 |
5.二の腕 | 比較的早く効果が出やすい。 |
6.太もも | 女性ホルモンの影響で脂肪がつきやすいが、大きな筋肉が多く運動の効果が出やすい部位。 |
7.胸 | 皮下脂肪が中心で、減量が進むと比較的早くサイズに変化が見られる。 |
8.お腹・背中 | 内臓脂肪は減りやすいが、皮下脂肪が残りやすいため時間がかかる。 |
9.お尻 | 血流が滞りがちで脂肪が落ちにくい。女性ホルモンの影響を受けやすい部位。 |
10.顔 | 皮下脂肪が残りやすく、むくみの影響もあるため最後に変化が出ることが多い。 |
出典:日本人若年女性における体脂肪の増減の部位差 昭和大学・国士舘大学
科学的に筋トレは短時間で痩せるのに最適
1.筋肉が増えるとカロリーをたくさん使える体になる(基礎代謝の増加)
・筋トレをすると筋肉がつきます。筋肉が多いと、安静時でも体が多くのカロリーを消費します。
・例えば、ランニングは運動中にカロリーを消費しますが、筋トレは運動後も体がカロリーを燃やし続けます。
2.内臓脂肪は先に消費されます
・筋トレは先に「内臓脂肪」を消費します。
・内臓脂肪はお腹の中にある脂肪で、これが減るとウエストがスッキリ見えます。
・ランニングも脂肪を燃やしますが、筋トレの方が短時間でお腹周りに効果が出やすいです。
3.姿勢が良くなってウエストが細く見える
・筋トレでお腹や背中の筋肉を鍛えると、背筋が伸びて姿勢が良くなり、これだけでもウエストが細く見える効果があります。
4.【忙しい女性に最適】短い時間でできる
・筋トレは10~15分でも効果があります。忙しい人でも取り組みやすいです。
・一方、ランニングだと30分以上続けないと効果が出にくいことがあります。
5.筋肉を減らさず脂肪だけ減らせる
・筋トレは、筋肉を守りながら脂肪を燃やします。そのため、体が引き締まって見えます。
・ランニングだけをしていると、筋肉も一緒に減ることがあるので、体重は減っても「痩せたけど引き締まらない」ということが起こるかもしれません。
女性は筋トレで太くなることはない
私が女性によく言われることとして「太くなりたくないから筋トレしたくない」といったものです。
一般的に女性が筋トレを行っても、筋肉が過度に発達して体が太くなる心配はほとんどありません。
むしろ、筋トレは筋肉を引き締め、基礎代謝を向上させることで、スリムで健康的な体型を維持するのに役立ちます。
筋肉の成長を促進するホルモンであるテストステロンの分泌量は、男性に比べて女性では約10分の1とされています。
このため、女性は筋肉が大きく肥大化しにくいのです。
ウエストを細くするには全身運動がカギ!
筋トレによって基礎代謝を上げて痩せやすい体にする
1.ウエストの細さは「他の部分との差」が大事
・ウエストを細く見せるには、ウエストとお尻や肩の幅のメリハリを付けるのが効果的です。
・例えば、お尻や肩の筋肉を鍛えるとウエストがさらに細く見えます。
2.走るだけでは引き締まった体にはなりにくい
・ランニングなどの運動は、やっている間しかカロリーを消費しません。
・それに比べ筋トレは運動が終わった後でもカロリーを消費し続けます。
・さらに、筋トレをすると筋肉が引き締まるので、スリムでカッコいい体に見えます。
体の脂肪が減る順番があるから筋肉を増やすのが大事
・脂肪は「お腹の中の脂肪→上半身→下半身」の順番で減っていきます。
・ウエストの脂肪が減るまでには少し時間がかかります。近道はありません。道中も楽しみましょう。
・筋肉を増やすと、じっとしている時でも体がカロリーをたくさん使うようになるので、効率よく痩せられます。
脂肪燃焼には下半身の大きな筋肉を動員するトレーニングが重要
下半身(足やお尻)の筋肉は体の中で一番大きな筋肉です。
大きな筋肉を動かすと、たくさんのエネルギー(カロリー)が使われて脂肪が燃えやすくなります。
そのため、スクワットやランジのような下半身を使う運動が脂肪燃焼に効果的なのです。
部位 | 筋肉量の割合(%) |
下半身(足・お尻) | 約60% |
上半身(腕・肩) | 約20% |
体幹(お腹・背中) | 約20% |
自宅でできる!ウエストを細くするおすすめ筋トレ3選
スクワット【ヒップアップ・基礎代謝の向上】
1 足を肩幅に開く
- つま先は少し外側(30°程度)に向けます。
- 背筋をまっすぐに伸ばします。
2 手を前に伸ばす
- バランスをとるために、腕を前にまっすぐ伸ばすか、胸の前で組みます。
3 ゆっくり腰を落とす
- 椅子に座るようなイメージで、膝を曲げてお尻を後ろに引きます。
- 背中を丸めず、まっすぐ保ちます。
- 太ももが床と平行になるくらいまで腰を落とします。
4 膝の位置に注意
- 膝がつま先より前に出ないようにします。
- 体重はかかとに乗せるように意識しましょう。
5 元の姿勢に戻る
- ゆっくりと膝を伸ばしながら立ち上がります。
- このとき、お尻や太ももの筋肉を使って体を引き上げます。
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BIG3だけのトレーニングと正しいやり方
人の体は、初めはきつい運動でも、すぐに慣れてしまいます。そうなると筋肉にあまり負荷がかからなくなります。
そのため、慣れてきたらダンベルやケトルベルを使うと効率よく筋肉を鍛えられます。
プランク【ウエストライン】
1 スタートポジションを取る
- 床にうつ伏せになります。
- 肘を肩の真下に置き、肘から前腕を床につけます。
2 体を持ち上げる
- つま先を立てて、肘とつま先で体を支えます。
- 体全体をまっすぐに保ちます。頭からかかとまでが一直線になるように意識してください。
3 姿勢をキープ
- 腰を反らせたり、持ち上げたりしないように注意します。
- お腹に力を入れて、背中をまっすぐ保ちます。
サイドランジ【ピップアップ・下半身のバランス向上】
1 スタートポジションを取る
- 足を肩幅より少し広めに開き、まっすぐ立ちます。
- 背筋を伸ばし、両手を胸の前で軽く組むか腰に置きます。
2 片足を横に踏み出す
- 右足を横に大きく踏み出します。
- 踏み出した足の膝を曲げ、体重をその足に移動させます。
- 膝がつま先と同じ方向を向くように意識し、膝がつま先より前に出ないように注意します。
3 反対側の足を伸ばす
- 反対側の足(左足)はまっすぐに伸ばし、床につけたままにします。
- お尻を後ろに引くようにしてしゃがみ込む形になります。
4 元の位置に戻る
- 右足で床を押すようにして、立ち上がりながら元のポジションに戻ります。
- 同じ動作を反対側(左足)でも行います。
1日-15分で効果を出す筋トレメニュー(週3回~4回)
ウエストを細くするのに効果的な筋トレであるスクワット・プランク・サイドランジを組み合わせたメニューを提案します。
”A”メニューの次の日は、”B”メニューをやるなど交互に行うとバランスよく鍛えることができます。
忙しい人でもできるように15分程度のメニューにしました。
種目 | エクササイズ名 | セット数 | 回数 / 時間 | ポイント |
A | ウォームアップ (ストレッチ) |
1セット | 2分 | 脚とウエスト周りを伸ばす |
スクワット | 4セット | 12~15回 | フォームを崩さずゆっくり行う | |
プランク | 3セット | 30秒 (休憩15秒) |
腹筋を意識して体を一直線に保つ | |
クールダウン (ストレッチ) |
1セット | 2~3分 | 背中や脚を中心にリラックス | |
B | ウォームアップ (ストレッチ) |
1セット | 2分 | 脚とウエスト周りを伸ばす |
スクワット | 4セット | 12~15回 | フォームを崩さずゆっくり行う | |
サイドランジ | 3セット | 12~15回 | 横への動きで内ももを重点的に鍛える | |
クールダウン (ストレッチ) |
1セット | 2~3分 | 脚とウエスト周りを伸ばす |
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